「へレディタリー / 継承 」が怖い3つの理由 !ネタバレなしの見どころ解説

5.0
映画
K
K
ホラーマイスターの僕は
なかなか恐怖を感じることがないのですが、
この映画は久しぶりに驚愕した一本でした。

観賞後のツイートによるホットな感想はこちら

今回紹介する映画:へレディタリー/継承

へレディタリー/継承
2018年製作/127分/PG12/アメリカ
監督:アリ・アスター
原題:HEREDITARY

新進気鋭の監督、アリ・アスターの長編初監督作品です。
現代ホラーの頂点」と絶賛される本作は、
近年の一捻りを加えたホラー「イット・フォローズ」「ゲット・アウト」などと違い、
主題やモチーフに関しては、クラシックでハードコアな正統派だけれども、
その表現・手法でここまで新たな感覚を体験できるのかという程、
極限までブラッシュアップされた、まさに映画史に残る一本だと言えるでしょう。

この記事では、ネタバレを極力排してこの映画の魅力に迫り、
別の記事では、この映画に散りばめられた謎を紐解きながら、
二度目の鑑賞で新たな発見をしていただけるように、解説していきます。
この映画はぜひあまり事前情報を入れずに一度観ていただきたい作品なので、
未視聴の方は、まずはこの記事を読んで、1回目の視聴後、解説記事を読むことをオススメします。

★ネタバレありの徹底解説記事はこちら

現代最強のホラー映画「へレディタリー/継承」の謎を徹底解説!【ネタバレあり】
K 注意・この解説はネタバレを含む内容となっています。 ネタバレを避けたい方は以下の記事がオススメです。 観賞後のツイートによるホットな感想はこちら 2021年31本目「ヘレディタリー 継承」...

「へレディタリー/継承」のあらすじ

グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。
娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、
そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に
家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。
自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま…。
やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする…。
祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、
不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。
まるで狂ったかのように…。
そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。
そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。
“受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺したものは一体何なのか?

引用元:へレディタリー/継承公式サイトより

When her mentally ill mother passes away, Annie (Toni Collette), her husband (Gabriel Byrne), son (Alex Wolff), and daughter (Milly Shapiro) all mourn her loss. The family turn to different means to handle their grief, including Annie and her daughter both flirting with the supernatural. They each begin to have disturbing, otherworldly experiences linked to the sinister secrets and emotional trauma that have been passed through the generations of their family.

引用元:IMDbより

「へレディタリー/継承」のキャストについて

アニー・グラハム:トニ・コレット
お母さん。
精巧なミニチュア、ジオラマなどを制作する仕事をしている。

【過去の出演作品】
『シックス・センス』
『リトル・ミス・サンシャイン』
『アバウト・ア・ボーイ』

スティーブ・グラハム:ガブリエル・バーン
一家のお父さん。
劇中の活躍は少ない。

【過去の出演作品】
『ユージュアル・サスペクツ』

ピーター・グラハム:アレックス・ウルフ
アニー、スティーブの高校生の息子。

【過去の出演作品】
『ジュマンジ シリーズ』
『オールド』

チャーリー・グラハム:ミリー・シャピロ
アニー、スティーブの娘。
大人しく、社会生活が苦手なタイプ。
ナッツアレルギーを持っている。

【過去の出演作品】
なし

ジョーン:ミアン・ダウド
アニーが遺族会の集まりで出会った、
孫を亡くしたという女性。
交霊会で奇跡を体験したと、アニーにも強く勧める。

【過去の出演作品】
『コンプライアンス 服従の心理』
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』

「へレディタリー/継承」が怖い3つ理由

この記事では、この映画のホラーとしての秀逸な3つのポイントを解説していきます。

・音が怖い
・顔が怖い
・闇が怖い

へレディタリー/継承が怖い理由 その①「音が怖い」

ホラー映画にとって音楽は必須ですね。
中には「悪魔のいけにえ」のようなほぼノイズみたいな形もありますが…

【おすすめ映画紹介#001】悪魔のいけにえ【あらすじと感想・見どころ】
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この映画でも不協和音のストリングスを中心に、
恐怖を煽る要素として効果的に使われています。

また、特筆すべき点は、
劇中に頻繁に登場する、「低音がうねるような音」です。

中には気づかない人もいるかもしれません。
この音は、聴こえるか聴こえないかの
絶妙な音量で鳴っていて、音に気づくとずっと気になる、
たとえ気づかなかったとしても
どこか違和感を感じて、一抹の不安感を覚えるでしょう。

さらに、チャーリーのクセである、舌を鳴らす「コッ」という音
こちらも後半になるにつれて、かなり効果的な使われ方をしている音で、
チャーリーの圧倒的存在感と相まって、その恐怖を増幅させます。

へレディタリー/継承が怖い理由 その②「顔が怖い」

何を言っているんだ、と思われるかもしれないですが、まぁ、聞いてください。

まず、チャーリー役のミリー・シャピロさんは、
自身のInstagram等で見ると、非常に可愛いらしい雰囲気なのですが、
劇中では「何かに取り憑かれたような」不安を誘う表情でキャラクターを演じきっています。

グラハム一家は、物語が進むにつれ、悪夢のような事態に巻き込まれていくのですが、
アニーを演じるトニ・コレットさんが劇中、言葉を無くすような事態に遭遇した時の
驚愕の表情に、観ているこちら側も驚愕するというか。顔がとにかく怖い。

鬼毛迫る表情とでも言いましょうか、
これは作品を観ていただければ納得していただけるかと思います。笑

へレディタリー/継承が怖い理由 その③「闇が怖い」

この映画の闇の演出は、他の映画に比べてもとにかく暗いです。
ただ暗いだけじゃなくて、確実に何かが潜んでいそうな感覚にさえなります。
深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」的な。

ホラーに暗闇はつきものですが、
アリ・アスター監督は
次回作「ミッドサマー」で
夜でも明るい白夜を舞台にした恐怖を描ききるのだから、凄すぎです。

「へレディタリー/継承」のまとめ

以上、3つの要素に加え、
冒頭のシーンでは、アニーの制作したドールハウスを映した映像からひとつの部屋に
どんどんズームアップしていって、
現実の部屋のシーンにシームレスに切り替わる演出から始まります。

そう言ったシーンを撮影するために、
劇中に出てくるグラハム家の家屋とその内部、離れのハウスツリーなどは
実際にこの撮影のために作り上げられています。

壁などを簡単に外せるようになっていて、
ワイドな画角でのシーンが撮れるように工夫されています。

アリ・アスター監督の「ドールハウスのような美」を追求した結果とのこと。

細かな設定や先の読めないストーリー、
正統派なテーマを斬新な手法で描くドラマ性の高いホラー映画として、
「オススメのホラー映画」として外せない一本になりました。

「へレディタリー/継承」はどこで観れる?

予告編はこちらをチェック!

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